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SEM情報コラム
2022年には、健康保険法の改正や雇用保険法の改正、育児・介護休業法の改正など人事や労務に関連するさまざまな労働法の改正が行われる予定となっています。
そこで今回は、企業の人事・労務担当者が把握しておきたい2022年の労働法の主な改正内容を時系列にまとめてご紹介します。
2022年1月には、健康保険法と雇用保険法の改正が行われました。
・傷病手当金制度の支給期間の見直し(健康保険法の改正)
私傷病による療養のために休業が必要となる際に、その期間の生活保障として給付される傷病手当金の支給期間が変更されています。
これまでの支給期間は「支給を始めた日から起算して1年6ヵ月を超えない期間」とされていましたが、改正後は「支給を始めた日から通算して1年6ヶ月間」に変更となっています。
この改正により傷病手当金の支給開始後に出勤と休業を繰り返している場合は、傷病手当金の給付開始から1年6ヵ月が経過しても支給日数が通算して1年6ヵ月までを超えるまでは、傷病手当の給付を受けることができるようになりました。
・雇用保険マルチジョブホルダー制度の創設(雇用保険法の改正)
65歳以上の労働者を対象とした新制度です。
65歳以上の労働者が複数の事業所で勤務し、2つの事業所における雇用見込みがそれぞれ31日以上であり、1週間あたりの所定労働時間の合計が20時間以上となる場合、本人の申し出によって申し出日から雇用保険の被保険者になることができます。
2022年4月にはパワハラ防止対策の義務化や女性活躍推進法、育児・介護休業法の改正が行われました。
・中小企業におけるパワハラ防止対策の義務化(労働施策総合推進法の改正)
すでに大企業向けには2020年4月より施行がスタートしているパワハラ防止対策措置が、2022年4月から中小企業向けにも施行となりました。
事業主は、厚生労働省が定めるパワハラ防止指針に則り、パワハラを防止する対策を講じることが求められます。
・女性活躍推進のための行動計画策定・公表義務の対象範囲の拡大(女性活躍推進法の改正)
常時雇用する労働者が301人以上の事業主に義務付けられていた「女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画の策定・届出」や「自社の女性活躍に関する情報公開」の義務が常時雇用する労働者が101人以上300人以下の事業主にも適応になります。
・育児休業に関わる措置の義務化(育児・介護休業法の改正)
事業主には「育児休業を取得しやすい雇用環境整備の義務」と「妊娠・出産の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の義務」が課せられます。
雇用環境整備としては、研修の実施や相談窓口の設置、自社の育児休業取得事例の収集・提供、制度と育休取得促進に関する方針の周知のうち、いずれかの措置を講じなければなりません。
また、従業員もしくは配偶者の妊娠・出産の申し出があった場合は、育休に関する制度や申し出先、育休中に負担すべき社会保険の取り扱いなどについて周知し、育休の取得意向を個別に確認することが義務付けられます。
2022年10月には産後パパ育休制度がスタートし、短時間労働者の社会保険適用となる企業の範囲が拡大されます。
・出生時育児休業の新設(育児・介護休業法の改正)
産後パパ育休と呼ばれる制度で、子どもが生まれてから8週間以内に4週間まで育児休業を取得できる制度です。
取得可能日数を2回に分けて取得することができ、労使協定を締結している場合には従業員が合意した範囲であれば、休業中でも就業が可能となります。休業中は、要件を満たしている場合に雇用保険から出生時育児休業給付金が支給されます。
2023年からは常時雇用する従業員が1,000人を超える事業者を対象に男性の育休取得率の公表が義務付けられる予定となっています。
・短時間労働者の社会保険適用の拡大(厚生年金保険法・健康保険法の改正)
常時雇用する従業員数が501人以上の事業主にはすでに適用されていた短時間労働者の社会保険加入の適用範囲が拡大され、常時雇用する従業員が101人以上501人以下の事業主も適用となります。
この改正により、常時雇用する従業員が101人以上501人以下の企業において以下のすべての要件に該当する従業員が社会保険の加入対象者に加わることになります。
・契約上の週の所定労働時間が20時間以上30時間未満である
・基本給と諸手当を合わせた月額賃金が8万8,000円以上である
・1年以上の雇用の見込みがある
・学生ではない
2022年に予定されている労働法関連の法改正についてご紹介しました。
人事・労務担当者にとっては実務に関わる改正であり、改正の内容をしっかりと把握し、改正法に適応した社内体制を整えていく必要があります。
人材採用業務も同時進行させている場合は労働法にも詳しい専門のエージェントの利用も検討すると良いでしょう。
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